住吉神社の参道入口に佇む、2006年創業の隠れた名店「パティスリーロディアル」。キャナルシティ博多の喧騒からほんの数分歩くだけで、昔ながらの博多の空気感へと導いてくれる場所だ。看板は控えめながら、その実力は福岡スイーツ通の間では広く知られており、開店当初からのファンも多い。建物はキャセイビルの1階、住吉神社前交差点のすぐそばという立地は、参拝帰りの散歩コースとしても、また仕事帰りの立ち寄りスポットとしても最適だ。
このパティスリーの真骨頂は、何といっても看板商品「とろける生パフ」である。読売テレビの「ダウンタウンDX」でも紹介されたこの一品は、店主がカスタードクリームに徹底的にこだわり抜いて完成させた傑作だ。独特なのは、その食感。シュークリームと異なり、口に入れた瞬間にほぼ崩れるほど柔らかいシュー生地が、濃厚でなめらかなカスタードと絡み合う様は、まさに「とろける」の名にふさわしい。一度食べると、その独特の食感と風味は忘れられず、何度も足を運ぶリピーターが絶えない理由もここにある。シュークリームの概念を少し外した、新しい魅力を持つシュー菓子として楽しむことができるのだ。
だが、ロディアルの魅力はこれだけではない。「住吉シュークリーム」や「住吉ロール」といった、住吉という地名を冠した商品や、「もっちんプリン」といったプリン類も、丁寧な仕上がりで評判が高い。米粉を使った「住吉ロール」は、地元素材へのこだわりが感じられる一品で、ふんわりとした食感と上品な甘さが特徴だ。「もっちんプリン」は、その名の通りもっちりとした食感が心地よく、カラメルの苦味とのバランスも絶妙である。観光客向けというより、むしろ近所に住む常連客や、博多を知る地元の散歩好きから長く愛されてきた実力派の店である証が、こうした丁寧で個性的なラインナップに表れている。
季節によっての楽しみも用意されている。夏場には涼感たっぷりのかき氷がメニューに加わり、訪れるたびに違う表情が見られるのもこの店の醍醐味だ。価格帯も手頃で、一つ500円前後のシュー系から1000円以下のロールケーキまで、気軽に試せる範囲に収まっているのが嬉しい。
店内は狭めだが、温かみのあるしつらえで、地元のお母さん世代から若い世代まで、幅広い客層が訪れている。訪問のコツとしては、午前中や午後の早い時間帯(15時頃まで)を狙うと、品揃えが充実した状態で選べるだろう。休日は昼間に混雑することもあるため、平日の訪問がより落ち着いた雰囲気で楽しめる。営業時間は10時から19時、定休日は月曜と火曜日である。
周辺との組み合わせも秀逸だ。住吉神社の参道を挟んですぐに位置するため、神社の参拝後にこのパティスリーで手土産を買い求めるというルートが定番。また、キャナルシティ博多からの帰り道に立ち寄って、大型モールの喧騒とは異なる、昔ながらの博多の町並みを感じながら歩くというのも、福岡の奥深さを知る散歩好きには特におすすめだ。天神エリアからも近く、観光地と地元が混在する博多の魅力を体験するには、このパティスリーと周辺地域は最適なスポットである。
最寄り駅は地下鉄空港線・祇園駅で、徒歩約8分である。