かつて大名の路地裏で営まれていた古書店徘徊堂が、いまは城南区別府の静かな一角に居を移している。観光地図にもまず載らない住宅地のなかにあり、看板も控えめで、その名のとおり街を徘徊するように歩いてようやくたどり着く一軒である。
店内に積まれているのは、新刊書店ではまず出会えない絶版本や古い文庫、美術書、サブカルチャー系の書物など、店主の審美眼を通過した本ばかりだ。背表紙を端から眺めていくだけで時間が溶けていく感覚は、効率を求める現代の買い物とは対極にある。掘り出し物との一期一会こそが、この店の最大の魅力といえる。
営業は昼の13時頃から18時頃まで、水曜が定休日となっている。店主は店頭買取や出張買取、本の遺品整理なども手がけており、本にまつわる相談に応じてくれることもある。
斜め向かいには自家焙煎のそふ珈琲があり、古本を一冊抱えてコーヒーを味わう流れも心地よい。地下鉄別府駅から歩いて訪ねれば、福岡の本好きが密かに通うディープな読書空間が待っている。